コバを処理することはアイテムの見た目上の完成度を高めるだけでなく、使用するうえでの耐久性の向上につながります。
綺麗に処理されたピカピカのコバは、工業的に作られた製品では見られない、ハンドメイドならでは魅力を醸し出します。
ハンドメイド作品の出来は、このコバ処理が大幅に左右すると言っても過言ではないでしょう。
非常に手間がかかる工程ではありますが、マスターすればアイテムの完成度を大きく高めることができるので是非実践しましょう。
コバを処理する
コバ処理の方法には正解はありません。
自分で実践した中で「良い」と思うものを取り入れて、自分が思う最高のコバ処理が出来るようになるのが一番です。
なのでここで紹介する方法も、これからコバ処理について勉強する方の糧になればと思います。
まず今回するコバ処理で、最終的にこうなるという写真を先に出しておきます。
上から下に向かって処理の工程を増やしたものです。
コバってこんなに変わるんです!
すごくないですか!?
それでは実践していきましょうヽ(o゜ω゜o)ノ
さて、これが最初の段階のコバです。
裁断しただけなので、コバは荒く、また若干裁断にミスがあった部位は段差ができています。
ここから順番に処理を施していきます。
1.ヘリを落としヤスリで断面を整える
以下の写真はヤスリで整えた後の写真です。
私が使ったやすりは「ドレッサー」と呼ばれるもので、先端が細くなっていて削りやすく、さらにサンドペーパーのような目詰まりも無くかなり長く使えるので、ちまたでも凄く好評な製品です。
価格も安いので、レザークラフトをするなら持っておいて損はないかと思います。
2.水で濡らし磨く
床処理剤を使用する前に、まず水で濡らして磨きます。
銀面に水が付着するとシミの原因になるので、はみ出さないように綿棒などで濡らしていきます。
磨く時は机や何かしらの角に磨きたいコバの部分を合わせて、表面から45度くらいの角度で磨いていきます。
使用しているのはコーンスリッカーという道具です。
表が終わったら裏も同じように磨いていきます。
最初からコバに対して90度で磨いていくと、コバがつぶれすぎて綺麗に丸まったコバが作りにくいです。
まず表と裏から引き締めていきましょう。
表と裏が終わればコバに対して垂直になるように磨いていきます。
水で濡らして磨いただけですが、既にこれだけのツヤは得られます。
3.処理剤を使用して磨く
水で濡らすのと工程的に変わらないので途中の写真は割愛しています。
床処理剤のトコノールを綿棒を使ってコバにつけ、半乾きのところで磨きます。
先程よりも滑らかになり、さらなる光沢が得られます。
4.コバワックスで磨く
コバワックスまで使えば最強です。
何かしらの金属を熱し、コバワックスに押し付け溶かします。
私は近くにあるので、丸ギリを使っています。
溶けたらすぐにレザーに塗り付けます。
まどろっこしい時は直接レザーワックスを炙り塗り付けます。
これに熱した金属をサッと当て、革になじませます。
こんな感じになります。
これを革のハギレでコバを磨きます。
革のハギレや帆布で磨いた方が美しいツヤが得られるので、好んで使っています。
この通りツヤッツヤ、ピッカピカの光り輝くコバが完成します。
ここまで来ると強度もなかなかのものになります。
5.熱したを当て引き締める
ここまで来るとほぼ自己満足ですが、コバワックスを塗った後に、熱したコテを当てることでコバが引き締められます。
本当にさっと当てるのがコツで、長く当てすぎると革が焦げてザラザラとした感触になってしまいます。
そうなったら台無しですorz
あと途中金属を熱しているときに、ロウが炭化して黒くなることがあります。
この状態でコバに当てると、せっかくのコバが汚れてしまうので気を付けてください。
全ての処理を終えたコバです。
最後少し汚れが付いてしまいましたが、この輝きこそハンドメイドの勲章ですね。
ちなみにロウの種類を変えることで、コバの仕上がりも少し変わってきますよ。
下の画像は蜜蝋で仕上げたものです。
個人的にはコバワックスはちょっと硬すぎる印象なので、縫い糸のロウ付けに使っている、蜜蝋がちょうどいい気がします。
まとめ
geradeaus流コバ処理工程は
1.ヘリ磨き(オプション)
2.ヤスリかけ
3.水で磨く
4.床処理剤で磨く
5.コバワックス/蜜蝋で磨く
6.熱したコテをさっと当てる
この5段階です。
注意点としては
・強い力で押しつけて磨かないこと(コバがつぶれる)
・水や床処理剤ははみ出さないように塗ること(シミができる)
・熱したコテで仕上げる場合は焦げないように注意すること
こんな感じでしょうか。
色々試して自分に合った最高のコバを手に入れてください!
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