レザーアイテムを作る時、必ずしも自分が欲しい色の革があるとは限りません。
そんな時ヌメ革を自分で染色する必要が出てきます。
染色することでレザーに豊かな風合いと独自性を与えることが可能です。
今回はアルコール染料の「スピラン」を使用し、画像を用いて染色について解説していきます。
スピランを使用した染色方法
今回使用するのはレザーの染色液として一般的なSEIWA「スピラン」を使用します。
刷毛で染める方法が主流ですが、モノづくりに正解は無いので、私が行っている布を使った方法で解説します。
ちなみに布は古着とか、使わなくなった布で十分です。
以下に刷毛を使用した方法と布を使用した場合のメリット・デメリットをまとめてみました。
個人的な印象もあるので、是非やって確かめることをお勧めします。
布の場合
メリット:ムラになりにくい。染色終了後に使い捨てるので洗う必要がない。
デメリット:必要以上に染色液を吸い込むため、刷毛よりも染色液が必要になる。細かい部分の染色には向かない
刷毛の場合
メリット:染色液が無駄になりにくい。刷毛のサイズ次第で細かい場所でも染色が可能
デメリット:布よりもムラができやすい。色ごとに刷毛を分けると、多くの刷毛が必要。
それでは染色方法です。
まずはヌメ革を用意します。レザーの染色にはオイルドレザーは向かないので、特に加工されていないシンプルなヌメ革を用意しましょう。
最初にして最重要ポイント!
革に染色する前に、革を水で濡らします。布、もしくはスポンジに水を含ませ、革を湿らせていきます。
水で湿らせることにより、染料が一気に入りすぎてムラになるのを防ぐことができます。
革の床面まで水が染み込んでいくくらいまでは水で濡らします。
画像下の革が水で湿らせたものです。最低でもこのくらいは濡らした方が良いです。
さて、ここから染色に移ります。
小鉢に染料を出し、布に染み込ませます。染色するときは下に汚れてもいいものを敷きましょう。
アルコール染料は蒸発しやすく、もたもたしているとみるみる無くなっていくので、小鉢には適宜使用する分のみ出します。
染色は原液を薄め、何度か塗り重ねた方がムラができにくいです。
薄めるのは水や薄め剤を使用します。
とはいいつつも、今回はスピランを原液で使用しました。
Point-布で染色する時は円を描きながら、刷り込むように染めていきます
Point2-染料が少なくなり、かすれるようになるとムラが出来ます
下の画像が1度染めたものです。ここから本来なら乾いては染めてを繰り返していきます。
アルコール系染料であれば、布で染色したらかなり短時間で乾燥します。
好みの色になるまで染色を繰り返します。
濡れていると濃く見えるので、乾くと薄くなることを念頭に入れておいてください。
好みの色まで持っていったら、いよいよ最後の仕上げ工程です。
仕上げ剤には色止めと耐久性の付与の効果があります。
これをしないと擦れた箇所がすぐに色落ち、色移りしてきます。
ちなみに今回はレザーフィックスを使用しました。
仕上げ剤は革が完全に乾いてから、表面に薄く塗っていきます。
仕上げ剤についての差を知りたい方はこちらもどうぞ。
これで完成です。
ちなみに染色は革の端の方を使うと繊維が均一ではなく、どう頑張って染めてもムラになりやすいです。
同じ方法で染めましたが、上部真ん中、上部右は大きくムラが出ています。
上部左くらい濃い色にすると目立ちにくいですね。
要点のまとめ
画像を使用して説明してきましたが、お分かりになりましたでしょうか。
今回の要点を簡単にまとめておきます。
1.染色前に革を濡らす。
2.染色は少し染色液を希釈し、染める回数を増やすとムラになりにくい
これさえ押さえておけば十分納得いく染色が出来ると思います。
最初の内は敬遠しがちの染色ですが、やってみると結構簡単ですので、気軽に始めてみてはいかがでしょう。
きっと色の虜になりますよ。
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