レザーアイテムを作る上で必ず通る道、「手縫い」。
家庭用のミシンでは縫い上げられない、革という素材だからこそ出てくる手縫いは、時間のかかる作業であり作品の良し悪しに直結する作業でもあります。
今回はレザークラフトの基礎である手縫いの方法を、自身の経験で得たコツを交えながら写真付きで具体的に解説していきます。
基本の手縫い方法
まず縫う前に2つ大事なことがあるので、先に言っておきます。
楽に綺麗に縫うには
1.まっすぐにけがく
2.しっかりと菱目打ちで穴をあける
基本的なことですが、これが出来ているだけで綺麗に、かつ短時間で手縫いをすることが出来ます。
それでは早速手縫いの工程に移っていきましょう。
針への糸の通し方
まずは糸をカットするところから始まります。
糸の長さは基本的に縫う長さの3倍となっています。
ここでも注意点が一つ!
縫う長さが短い場合、3倍だと確実に糸が足りなくなるので4倍は確保しておきましょう。
理由は後ほど。。。
また革の厚さが2mmを超す場合も3倍より多い方が無難です。
それでは糸を通していきます。
糸の先端から3~4センチのところを針で貫通させます。
折り返してもう一度貫通させます。
さらにもう二度。
針をひっくり返して、これまでに通した糸を少し上に引っ張り上げます。
糸の先端を針穴に通します。
針穴から出た糸を上側に引っ張ります。
逆側の糸に持ち替えます。
逆側の糸を上に引っ張ります。
するとこのように上の糸に絡み、糸がほどけなくなります。
このように糸を針に絡ませるので、短い作品だと手縫い距離に対してここの比率が高くなります。
そうすると途中で糸が足りなくなるので、最初から4倍にした方が良いのです。
もう一方も同じことをしたら、いよいよ縫いはじめです。
と、その前に手縫いを手助けする道具を紹介します。
写真はレーシングポニーです。
スティッチングポニーとも呼ばれます。
中央の部品で上部を開き、そこにレザーを挟みます。
ものによってはネジで開閉を行うものもあります。
この通り木の部分に座るのでおしりが痛いことでも有名で、私は座布団を折り返して使用しています。
初めのうちは持っていなかったので革を膝の間に挟み、恐ろしいまでの猫背で革を縫っていたのですが、これを導入してから作業スピードも上がり、体も楽になったので、正直最初から買っておけば良かったと後悔しました。
さてここから本当に縫い始めていきます。
手縫いの手順
革の手縫いをするときは、必ず革の銀面が右側に来るようにします。
まずは糸をどこかしらの穴に通します。
このアイテムは一周回って同じ場所に帰って糸を留めるので、万が一止めた糸がほどけないように、なるべく負荷がかかりづらい場所から縫い始めています。
一周しないアイテムなら普通に端からで大丈夫です。
穴に糸を通したら左右が同じ長さになるように調整します。
両手に針を持ち最初に通した穴の1つ手前の穴に、左側から通していきます。
針を通したら糸を全て引っ張らずに、少しだけ出して穴を広げるように手前に引っ張ります。
空いたスペースに右側から針を通します。
ここで注意点!
穴の広げ方が甘かった場合、右側から刺した針が穴の中にある糸に刺さってしまっている時があります。
刺さっていないか確認のためにも右の針を刺した状態で、左の糸を少し引っ張ってみるといいです。
刺さっていたら、左から刺した糸は動きません。
ちなみに刺さったまま引っ張るとこのようになってしまい、今縫って狭くなった穴に再び針を通してほつれを戻すことになります。その時にも糸に貫通して泥沼に陥ったりするので、上記の通り右の針を刺した状態で、左の糸を少し引っ張って糸に針が刺さってないか確認すると安心です。
大丈夫そうなら右から通した針を引っ張ります。
最後これくらいになったら、縫い付けの強さ調整のために指で根元を両方から引っ張ります。
(写真撮影の都合で左のみ持っていますが、両方から引っ張ってください)
最後に指で調整することで、作品通して均一な力で縫い上げ綺麗な縫い目を得られます。
後はこれを縫い終わりまでひたすら繰り返していけばOKです。
長くなるので最後の糸の留め方は次回に回します。
糸の留め方も知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
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