手作りアイテムの出来を決めるうえで重要な役割を担うのがコバ。
既製品だと薬品で処理されがちなだけに、ハンドメイドアイテムの価値を決める大きな判断材料となります。
そんなコバを整えるための必須アイテムの一つとして、床処理剤があげられます。
床処理剤は各メーカーから出されていて、有名どころとしてトコノールを思い浮かべる人も多いと思います。
でもそんなトコノールに「茶」や「黒」のカラーバリエーションがあることをご存知ですか?
今回はトコノール(茶)が通常のトコノールとどんな差があるか、どんな時に使ったらいいのかをピックアップします。
トコノールってどんな製品?
定番のトコノール同様に天然ワックスを配合し、コバ・床面の毛羽立ちを押さえ、美しく丈夫に仕上げるための仕上材です。
糊成分により革の毛羽立ちを抑えるだけでなく、ワックスを配合していることにより、糊成分がはがれないように保護し、革の品質をより長期間保つことができます。
と、ここまではレザークラフトをしている人間ならなんとなく知ってる内容かもしれませんが、じゃあ茶色ってどんな時使うのって知ってる人は結構少ないんじゃないでしょうか。
そこで買ってみました、トコノール茶!
トコノール 茶の使い方について
使用の仕方的な意味では無色のトコノールと同じですが、知りたいのは色がついていることによって着色の効果がどれ程あるのかということです。
今回はヌメ革と芯通しされた革のコバを磨くことによって効果を確認してみました。
ちなみに芯通しとは染色する際に革の内側(芯)まで染色された革のことを指します。
それではトコノール 茶いざ開封!
写真は少し明るくなってしまいましたが、実物はもう少し暗めな色の印象です。
それではここから無色のトコノールでコバを仕上げた場合と、茶色のトコノールで仕上げた場合を比較します。
ちなみにコバ処理に使用したのは無料型紙&作り方でも紹介しているシステムバインダーです。興味のある方はこちらも是非。
【バイブルサイズ】システムバインダーの作り方&無料型紙【前編】
1.トコノール 無色
2.トコノール 茶
写真のものは上に来ている革がヌメ革、下に来ている方が芯通ししたタンニン鞣し革です。
結果は微妙に色が着きました。縫い合わせてある2つの革の色が違うため、1つの色になればいいなと思い使用してみましたが、そこまでの効果はないようです。
では芯通ししてある革のみに使う場合はどうでしょう?
1.トコノール 無色
2.トコノール 茶
こちらでは無色のものより茶を使用したほうが、より色合いが統一されアイテムが引き締まっているのがわかります。
まとめ
以上の検証結果から、コバにトコノール茶を使うならこのようなことが挙げられます。
1.色合いの違う2つの革を縫い合わせた場合、それを統一し1色にするほどの着色効果はない
2.ヌメ革に使うと自然な茶色いコバは表現できる
3.トコノールの色と同系統の色で芯通しした革に使うと、よりまとまりが出てアイテムを引き締められる
小物などでコバを際立たせるデザインの場合、無色ではなく茶色でコバを仕上げてみるのも1つの手かもしれませんね。
今回はトコノール 黒は使用しませんでしたが、効果のほどについは茶と同程度だと考えます。
コバスーパーなどのコバ処理剤に頼らず、トコノール茶で自然なコバを演出したい方は是非お試しください。
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