型紙を革に移していく作業を「けがき」と呼びます。
タンニンなめしの革には丸ギリや鉄筆で、クロムなめしの革には銀ペンを使用してけがいていきます。
基本的には革の銀面に型紙を置きそれをなぞっていくだけの簡単な工程です。
パーツの取り方を考える
けがくときには実際に使用するときのことを考え、革の曲がる方向を確認したうえでパーツを取っていきましょう。
タンニンなめしの革には曲がりやすい方向があるため、折り曲げて使う部位に関してはその向きを確認して型紙を置く向きを決定すします。
少し曲げただけだと分かりづらいですが、このくらい曲げるとなんとなく負荷がかかる方向が分かります。
革のけがき方
革をけがく際、まず初めにすることはすべてのパーツを革の上に乗せてみることです。
そうすることで実際に使用する革が足りているのかが分かります。余分なスペースがあるともったいないので、なるべくパーツ同士を詰めて並べましょう。直線のパーツならくっつけてしまうこともあります。
革が足りることが確認できたらいよいよけがいていきます。空いている方の手で型紙がずれないようにしっかりと押さえます。
この時に手持ちの重しなどを型紙に乗せておくと、型紙の位置が安定するので作業がしやすいです。
私はオールマイティープレートを重しに使用しています。
けがく際のコツですが、丸ギリを使用する場合すこし傾けてけがくようにしましょう。
垂直に立ててけがいてしまうと、革に引っかかってうまくけがけなかったり、銀面を傷つけたりしてしまいます。
けがきの線が薄いと裁断の際に切りにくいので革を傷つけないように、且つけがきの線が薄すぎないように革に跡を付けるイメージでけがきを行っていきます。
コーナーや曲線のある部位は浮き上がっていることがあるので、しっかりと押さえてけがいていくべきです。そうしないと下の写真のように、けがきの線が型紙の内側へ入り込んでしまい実際の寸法より小さくけがけてしまう可能性があります。
けがきが終了したら次はいよいよ裁断です。
コメント